ホットワックス(ホットワクシング)とは、固形ワックスを溶かしてスノーボードのソール(滑走面)に浸透させることです。一般的に下地作りを何度か繰り返すのですが、簡単編ではベースと滑走ワックス各一回のみです。シーズン中は適当な頻度で滑走ワックスのみ追加します。
作業する時は、換気扇を回しっぱなしにして換気を十分にしましょう。また、余分なワックスを削るので、削りかすを片付けやすい場所がオススメです。近くに小型でいいので掃除機を置いておくと、服についた削りかすを吸い取れます。
ちなみに、陳列されているワックスを見ると、0度〜○度とか、−3度〜○度とか温度が書いているパッケージを見て迷うと思いますが、はじめはベースと滑走共に万能と書いてあるもので十分です。あとは、店の人に聞いてみてください。
ビンディングはネジを軽く緩めておくか、作業に邪魔であれば外します。この時に左右の取り付け角度と穴の位置をメモしておきます。
ボードを乗せる作業台は、専用の台或いはダンボール箱等の安定させやすいものであれば何でも良いです。
今回使用するワックスは、ベースワックスがマツモトワックスのANT BB、滑走ワックスは大型スポーツ店で販売されている安いワックスです。
使用するワックスの説明書に使用する温度が書いてあると思うので、温度を合わせます。
書いて無ければアイロンの設定温度を徐々に上げていき、ワックスがジワーッと溶ける辺りです。白煙が出るようだと温度が高いので、設定温度を少し下げましょう。
適温になったらワックスをアイロンの表面に当てます。この時に、溶けたワックスがポタポタと滴り落ちるので、ソールの上をゆっくりした速度で手を移動させ垂らしていきます。
垂らす前にスノーボードの下に、新聞紙やブルーシート等を敷いたほうが良いです。冷えて固まったワックスを取るのは一苦労です。
反っている先端と後端は適当で構いません。ホットワックスに馴れないうちは、垂らす間隔が狭くても気にしないで大丈夫。
アイロンへのワックスの当て方ですが、軽く当てる感じです。ダラダラーではなくポタポターっていう感じです。左の画像はあまり上手くいかなかったので、参考程度に見てください。
アイロンの表面はまだ湿っているはずなので、そこにワクシングペーパーを当てるとペターっと貼り付きます。
左の画像のように先端からペーパーを利き手で持って移動させます。同じ場所にアイロンを当て過ぎないことと、全体に伸ばした後、ソールに温もりを感じる程度が適切な温度です。
アイロンの温度が低いとソールにベタッと貼り付いてしまうので、その場合は少し温度を高くする。
スクレーパーの角を使って削ります。先端から後ろに移動させていき、削りかすが出なくなるまで繰り返します。上手くいくとカツオ節のようにシュルシュルっと剥けます。
マツモトワックスのANT BBは冷えると削るのが大変なので、説明書に書いてある十数分程度で削ります。初心者の頃は厚塗りし過ぎたせいもあるが、馴れるまで力加減が難しかったのを記憶しています。
スクレーパーでは細かい溝の中にあるワックスを掻き出せないので、ナイロンブラシを使用してノーズからから後ろ方向へ掻き出すようにザッザッと動かします。
画像だと見難いですが、何回か繰り返すと白い粉が出てくるので、ノーズとテール以外の雪面に接している場所を掻き出します。
滑走ワックスをベース作りと同じ要領で繰り返し、ソールが冷えたらスクレーパーと削り、ブラシで仕上げます。
シーズン中にソールが汚れたら、リムーバーを使うよりも滑走ワックスとワクシングペーパーを使って、汚れをペーパーに吸着させます。汚れがなくなったら、滑走ワックスのみ施します。
シーズンに数回滑る程度であれば、これで十分です。以上でホットワックス簡単編の解説は終わりです。
何回かスクレーパーを使用していると、角が丸みを帯びてワックスを削りにくくなってきます。削りにくくなったと感じたら、平らな固形物に紙やすりを固定するか、平らな場所に紙やすりを貼ってスクレーパーの目立てをします。
新品のスノーボードで試さずに、中古やお下がりのボードで練習することをオススメします。
手に入りやすいメーカーは、ガリウムワックスとマツモトワックスです。その他には、大型スポーツ店のオリジナルブランドや安いワックスもあるので、お好みのものを見つけてください。
滑る頻度によって違うので、一概に何回に一回とは言えません。ワックスをかけた一回目のスケーティングの滑りを覚えておき、毎週滑るのであれば月一で滑走ワックスをかけてみて、頻度を調整してください。